韓国の葬儀方法

韓国

異国に永住している日本人は今や世界中に五万といるでしょうが、葬儀の違いに戸惑っている人は多いのではないでしょうか。
私は国際結婚で韓国に住んで14年、今までに夫(韓国人)の身内の葬儀を2回経験しました。
隣の国なのに、葬儀方法が全然違います。
例えば、韓国では「3日葬(サミルチャン)」といって、葬儀をキリスト教でしても仏教でしても、あるいは儒教でしても、だいたい3日間かけて行われます。
不幸というのはいつでも突然ですが、この現代社会で社会人の場合、いくら身内の不幸でも3日も連休は取りにくいものです。
ところが、韓国では忌引き扱いで休みがきちんともらえます。
それも伯父(叔父)・伯母(叔母)が亡くなった場合でも、3日間きっちり休みがもらえます。
韓国社会では「当たり前のこと」と誰もが認めている事です。

韓国でも葬儀は自宅ではなく「葬儀場」でするようになりましたが、韓国の場合多くの「葬儀場」は総合病院に隣接しています。
葬儀専門の式場もありますが、病院の隣か地下に葬儀場が設けられていることが多いです。
病院と葬儀場がワンセットになっているなんて、日本人の感覚では「縁起でもない」と嫌がられるでしょうが、韓国では普通のことです。
合理的といえば合理的だなと感心してしまいます。
葬儀場でお通夜に始まって出棺までが行われますが、飲み物や食事の手配など細かいことは葬儀場のスタッフがやってくれます。
(スタッフは時給7~800円くらいで雇えます)

親族や知人がお手伝いすることは何もありません。
なんと言っても、韓国の葬儀というと「キム・イルソン」や「キム・ジョンイル」のお葬式の時に悲しみに暮れた人々が号泣しているイメージを強く持っている人は多いと思います。
私もそうと思って出かけたのですが、私の知る限りそんなことはありませんでした。
日本では悲しみを抑えることが美意識として定着していますが、韓国では故人の死を悼んで盛大に泣くほうが良いとされています。
しかしながらが実際、いくら悲しくても人間はそんなに泣けないものです。
そこで、プロの「泣き屋」さんの登場となるのですが、必ずしも「泣き屋」さんを雇わなければいけない訳ではないので、雇うかどうかはあくまでも遺族の趣向のようです。

韓国では遺族が故人の骨を拾わない

韓国は儒教思想の強い国なので、「遺体を土葬という形で葬りたい」と多くの人が今も思っているようですが、都市化と人口密集など現代の諸事情からいって仕方のないこと、韓国でも火葬が主流になっています。
そして日本と韓国の葬儀で最大の違いは、「韓国ではお骨を拾わない」ことです。
私の実家の葬儀に韓国人の夫を連れて行ったことがありますが、火葬されて出てきた「お骨」を箸でつまみあげて陶器の器に入れる作業は、夫にとって「人生最大の異文化体験」だったようです。
(嫌だと言えない雰囲気の中、頑張ってやってくれましたが)
ともかく、韓国では遺族がお骨を拾うことはありません。
葬儀場のスタッフの作業を遠くからじっと見守り、骨壷を受け取るだけです。
韓国人の考えかたからして「故人の骨を拾う」という行為は耐えられないようです。

香典の管理は身内だけ

最後に、韓国の葬儀で「韓国らしい」と思えることを一つ上げるとすれば、お金の扱いは身内でする、葬儀場のスタッフなど
他人には絶対に触らせないということがあります。
血のつながりを重視する、というのはいかにも韓国らしいと思いますが、葬儀のどさくさにまぎれて金品を盗んでいく人がいるのも事実です。
年に何回か窃盗犯が逮捕されたというニュースをテレビで見るので、「よくあること」のようです。
そういう事情があって、香典の管理は身内だけで厳重に行われています。